絶滅したはずのアホウドリ、1万羽に回復 デコイ作戦でコロニー復活
かつて絶滅したとされるほど数を減らし、保全活動が続けられてきたアホウドリについて、伊豆諸島の鳥島で推定個体数が1万羽以上に回復したと山階鳥類研究所が発表した。保全活動が実り、1万羽という大台に乗った一方、安定した繁殖地を確立するため、今後も調査や保全活動を継続していく必要があるという。

かつて絶滅したとされるほど数を減らし、保全活動が続けられてきたアホウドリについて、伊豆諸島の鳥島で推定個体数が1万羽以上に回復したと山階鳥類研究所が発表した。保全活動が実り、1万羽という大台に乗った一方、安定した繁殖地を確立するため、今後も調査や保全活動を継続していく必要があるという。
アホウドリは翼を広げた時の長さが2メートルを超える大型の海鳥で、繁殖期以外は海の上で過ごす。かつては少なくとも数十万羽いたとされているが、19~20世紀に人間が羽毛を採るために乱獲し、激減した。
人間から逃げないことや、簡単に捕らえられるさまから、「アホウドリ」の名が付いたとされる。
1949年の調査で一度絶滅したと考えられたが、51年に約10羽が鳥島で再発見された。71年には尖閣諸島でも少数の生息が確認された。
研究所によると、今年2~3月の鳥島での調査で、ヒナが1591羽確認され、調査から計算した成鳥と合わせると個体数は1万1067羽と推定された。再発見後、はじめて1万羽まで回復した。
アホウドリは、最大の繁殖地(コロニー)である鳥島や小笠原諸島の聟島(むこじま)で保全活動が行われてきた。
集団で繁殖する習性があるため、島に実物大のデコイ(模型)を設置し、声の音声を流して繁殖個体を誘致した。この「デコイ作戦」が成功し、鳥島ではコロニーが復活。個体数が増加した。
ただ、鳥島は火山島で、噴火があった場合は個体数に大きな影響が出る。また、聟島では繁殖のペア数がまだ少ないのが現状だ。
研究所の富田直樹研究員は「聟島での繁殖は3つがいだけなので、まだ道半ば。モニタリング調査や保全活動の継続が必要」と話す。
アホウドリは今も、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。今後、準絶滅危惧種への引き下げをめざすが、まだ高い壁がある。



