熊本地震で119番機器故障 今も完全復旧せず「一般電話にかけて」
熊本県内で最大震度7を観測した熊本地震で、被害が大きかった八代市や氷川町を管轄する八代広域行政事務組合消防本部(八代市)で119番通報を受けるシステムが一時ダウンし、発災から約1カ月たった今も機能が完全に回復していない。消防本部が「119番がつながらなければ、消防署の一般の電話番号にかけて」と呼びかける事態が続いている。

熊本県内で最大震度7を観測した熊本地震で、被害が大きかった八代市や氷川町を管轄する八代広域行政事務組合消防本部(八代市)で119番通報を受けるシステムが一時ダウンし、発災から約1カ月たった今も機能が完全に回復していない。消防本部が「119番がつながらなければ、消防署の一般の電話番号にかけて」と呼びかける事態が続いている。
消防本部がある八代市では、7月28日に震度6強を観測。庁舎に被害はなかったが、119番通報を処理する機器が倒れて使えなくなった。
この機器は「指令システム」と呼ばれ、通報者の居場所を自動的にモニターの地図上に表示し、現場に一番近い消防署に消防車や救急車の出動を指示できる。しかし、予備の機器も一緒に転倒してしまい、119番通報を受ける12の回線すべてがダウンした。
消防本部は、被害の少なかった管内の消防署で緊急通報を受けられるよう、携帯電話や固定電話の通信会社約10社に1社ずつ電話をかけて転送を依頼。当日中には通報を受けられる状態に戻ったという。
ただ、署の受信は2回線しかないうえ、当初は通報者の居場所を把握してモニターに示す機能もなかった。今も機能の一部は復旧しておらず、1件の処理に時間がかかる状態が現在も続いている。
システムは特殊な機器のため、復旧にはメーカーの技術者を県外からも集める必要があり、復旧のめどは立っていない。不通だった時間帯に何件の119番通報があったかは、装置の記録をメーカーが解析するまで確認できないという。
障害が長期化する見通しになったため、消防本部は8月20日、ホームページや防災アプリなどで「119番がつながりにくいときは呼び出しを続けて」「固定電話・携帯電話など複数の手段で試してみて」などと協力を呼びかけた。
担当者は、予備の機器も同時に使えなくなる事態は「想定していなかった」と話す。
震度6弱を観測した御船町にある上益城消防組合消防本部でも、地震で119番通報を受ける機器に不備が生じ、通報を受けられない時間帯があった。最大6回線のうち一部が使えなくなったといい、当日中に復旧したという。原因や受けられなかった時間帯は「調査中」としている。
八代広域行政事務組合消防本部で119番通報のシステムがダウンした影響は、各地で表れていた。



