世界遺産のキトラ古墳壁画、19日から「朱雀」「玄武」「青竜」公開
ユネスコの世界文化遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」の構成資産の一つ、奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)に描かれた国宝壁画が、19日から村内の「キトラ古墳壁画体験館 四神(しじん)の館」で一般公開される。

ユネスコの世界文化遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」の構成資産の一つ、奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)に描かれた国宝壁画が、19日から村内の「キトラ古墳壁画体験館 四神(しじん)の館」で一般公開される。
今回は、キトラ古墳の石室南壁に描かれた「朱雀(すざく)」と北壁の「玄武(げんぶ)」、東壁の「青竜(せいりゅう)」の三つの極彩色壁画が、「四神の館」の開館10周年記念で一挙公開される。いずれも古代中国思想の方角や季節のシンボル「四神」と呼ばれる神獣で、ガラス越しに見ることができる。
キトラ古墳壁画は、同じ村内にある「飛鳥美人」で知られる高松塚古墳壁画とともに、飛鳥時代の活発な国際交流の実情を示す貴重な文化財だ。
とくに朱雀は、高松塚古墳では、描かれていた可能性が高い石室南壁の一部が盗掘によって破壊されたとみられ、キトラ古墳だけに確認されている。赤い両翼を広げ、長い尾羽を後ろの方に伸ばした姿が描かれ、奈良時代以前の朱雀の貴重な作例だ。
10月18日まで。閉室日は9月30日と10月14日。期間中の土・日・祝日には、近鉄飛鳥駅からの臨時バスも運行する。文化庁は、公共交通機関の利用を呼びかけている。
また、四神の館では10月3~13日、プラネタリウム「天文図と中国星座」も開く。上映時間は約15分。午前9時45分~午後4時15分に上映。
事前申し込みは終了した。文化庁によれば、キャンセルなどが発生した場合に電話で予約できる可能性もある。問い合わせは事務局(06・6281・3060)へ。
高松塚古墳とキトラ古墳の現地でVRコンテンツも
一方、奈良文化財研究所(奈文研)は19日から、村内の高松塚古墳とキトラ古墳の現地で、石室内部や壁画を、短い動画とVR(仮想現実)を駆使し、スマートフォンの画面越しによみがえらせるコンテンツを公開する。無料。
高松塚古墳では、1972年の壁画発見当時のデータを組み合わせた石室と壁画の再現コンテンツを、東西南北のそれぞれの方向から見ることができる。キトラ古墳では、墳丘下の南側1カ所でQRコードを読み込み、各方向から石室の構造や壁画を確認することができる。
奈文研飛鳥資料館古墳壁画室の広瀬覚室長は「世界遺産になった壁画は古墳外で保存・管理されていますが、壁画が現地にあった当時の姿を追体験し、思いをはせていただけたら」と話す。
19日午前9時半~午後4時、両古墳の現地で奈文研の研究員が使用方法などを解説するイベントがある。無料。問い合わせは飛鳥資料館(0744・54・3561)へ。

